天衣織女‐劇団「青い鳥」 |
あるひとが「女優の女神性」について触れていた。私にとってそんな「女神」はだれかな? とふと、考える。
天衣織女(あまぎ・おりめ)かな?
最近では映画『海のふた』の菊池亜希子の母親役で出ている。映画内では顔のUpがなくて調べてみたら上記リンクのお写真。やっぱラブリーで歳相応の色気あるし、やっぱ魅力的!
1980年代のいわゆる「小劇場ブーム」をけん引していた女優のみによる演劇ユニット「青い鳥」 の主要女優さんのひとり。
いわゆる「女子(じょし)」(80年代当時には当然、この呼称はなかった)のこども時代の記憶の迷路を剔抉する独特の作風であった「青い鳥」の芝居の数々。
彼女たち(木野花・天光真弓・井沢磨紀・芹沢藍・葛西さき・天衣織女)が編み出した集団創作のペンネーム「市堂令」もユニークだった。その市堂令作の代表的舞台である『夏の思い出』や『青い実をたべた』。
当時つきあっていた女ともだちとともにチケットを取るのが至難だったこれら彼女たちの舞台をたまたま観に行けたはいいけれど、まわりは男子がほとんどおらず、女子に囲まれてものすごく肩身が狭かったなあ。
長身にしてボーイッシュな天衣。天衣にのみエールを送る彼女たちの集団もいて、さながら宝塚の男役級の人気ぶりだった。
最近の舞台では『松本幸四郎のマクベス』に出ていて、佐藤オリエのマクベス夫人に匹敵するマクダフ夫人の役柄。佐藤オリエに対抗できる女優ったら「うーん、さもありなん!」ってうなづくことしきり(観ていないけれど)。
じつはいまわたくし、仕事で架空の映画の配役を考えている。そこにはじっさいのキャラクターが実在していましてね、それは「田舎の高校のジャージ姿の女子体育教師で生活指導係」って役柄。
で、これはもう、天衣織女以外にはいない、と!
ここからはアタシの想像上の“キャラ”付けだけれど、タッパがあり細身。なにせいつもジャージ姿で(腕には「精神棒」なんかぶら下げている?)、化粧っ気もまるでないものだからそうは見えないけれど、じつはそーとーな美女って役柄ね。
そんな彼女がおもいきしフェミニンな恰好でみんなのまえに登場し、全員が「わああァ,アシヤレーヌだあ!!!」ってズッコケるのね(←どおいう芝居だよ!)
彼女はこうゆーのにピッタシじゃないか、って…。
これを書くので『トレパンをはいたパスカルたち‐劇団青い鳥ものがたり』(久田恵著・透土社刊 1989)を本棚から引っ張り出してきて読む。
なかのインタビューで天衣はものすごく孤独な「役者以前」の人生を語り、嗚呼っ、こーいうヒトがいい女優さんになるんだなあって思った次第。
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